今回は、シャネルで化粧品を売ってもらえなかった、というお話です。
消費者として、どうしてお金を払うといっているのに、化粧品を売ってもらえなかったのでしょうか?
そこにはさまざまな肌の事情がありました。
○インタビュー相手 Wさん(42歳)
若い頃はケアがコンビニコスメだった
Wさんは、生まれつき肌が丈夫なのをいいことに、あまりお肌にケアをしてきませんでした。
若い頃のスキンケアはもっぱらコンビニだより。
仕事が忙しかったこと、元来ぐうたらなことも災い(?)したのか、コンビニで化粧水、クリームを揃えて、気が向いたときに塗りたくる程度。
あまり「美」というものに力をいれてきませんでした。
そんなWさん。「どこか影のある人」といわれることが多かったそうです。
影。それがあまりポジティブな意味ではないことは理解していたものの、Wさんはあまり気にしてなかったそうです。
コンビニは、意外とたくさんのスキンケア用品が置いてあります。
Wさんはそこで何もかも調達し、30歳を超えるまでドラッグストアにいくことも、デパートにいくことも、なかったといいます。
もちろん、スキンケアに関する知識もありませんでした…
と語ります。
コンビニコスメからの卒業
そんなWさんは、35歳になり
さすがにコンビニコスメは、大学生がお泊りで使うものなのでは?
という気がしてきました。
たしかに、その通りですよね。20代の若い女性が、急場をしのぐために使う。
そんな位置づけがコンビニのコスメコーナーです。
そこで、Wさんは、思い切ってシャネルの化粧品コーナーにいってみたそうです。
洗顔とメイク落としと化粧水とクリームとナイトクリームと。まとめて買って、しばらく使ってみました。
すると、何やら顔がすっきりし、
なんか、顔にあった影が消えてる気がする!
と気がつきました。
ナノ粒子が良かったのかなって、勝手に思っています。
とのこと。
長年の『影』が取れたという強烈な体験を経て、すっかり高級品志向になってしまったのでした。
食費を削ってまで…
しかし、Wさんは35歳でピンチを迎えました。転職してやりたい職業についたものの、給料がガクッと下がってしまったのです。
食費もギリギリの生活で、ついにスキンケアもおろそかになり、肌が荒れだしました。
栄養不足かな?と思ったんですけど、またシャネルに行ってみたんです。
といいます。
しかし、そこでWさんの顔を見たスタッフの方は
「皮膚科に行かれるのが一番だと思います」
といって、化粧品を売ろうとしなかったそうです。
少なくとも、コスメよりまず皮膚科を選択するべきと、気づかせてくれました。
皮膚科にいくと、クリームを処方され、栄養面の指導も受けることができました。
顔がパリパリになったのは、栄養不足だったのか、ケア不足だったのかというと、Wさんは後者だと思っていましたが、実際は前者。
つまり、シャネルの方は正しかったのです。
すっかり信者に
いまはそこそこ収入も回復し、何より食費に事欠く生活からは脱出できた模様です。
そして、過去のスキンケアトラブルなどを思い起こし、影が消えたという点、良心的に皮膚科を薦めてくれた点などから、すっかりデパートコスメの信者になってしまったWさん。
女性の解放というブランドの信念や理想にも、ちょっぴり惹かれているところはあります。
化粧品の成分のほとんどが、水であることは理解しながらも、粒子が細かいとか、ニオイがいいとか、女が上がった気がするとか、そんな気持ちの部分も込みで、気持ちよくお金を払って購入しています。
シャネルの化粧品は高いイメージがありますが、むしろこれだけ気持ちを上げてくれるなら、逆に安いと思います。
ただ、バッグは買えませんし、店員さんも「私もバッグは手が出ません」といっていました。
と語ります。
きっと、コンビニコスメでは満たされていなかった部分が、満たされているのかもしれませんね。
まとめ
化粧品は、自分にあってるものを見つけるのが一番です。
Wさんがなぜ、シャネルを安いと感じるのか、そこには気持ちの部分も何か隠されていそうです。
自分をあまり丁寧に扱ってこなかった若い頃と、少しケアする余裕ができた40代の今と。
そして、肌への効果の部分として見逃せないのが、この気持ちの部分です。
コンビニコスメが1000円で、シャネルの美容液が2万円だとしたら、コストの面は20倍です。
しかし、実際の肌への効果が5倍の5000円分だとしたら、残りの15倍の15000円は、心の満足度だと考えられます。
それ以上の幸福感を得ているから、「安い気がする」という言葉になるのではないでしょうか。
アースケアからのアドバイス
「まずは皮膚科の受診を」とおっしゃるシャネルの美容部員さんは、良心的で知識もあり、素晴らしい対応ですね。
肌荒れは肌トラブルの始まりのサインです。
特に、若いころにスキンケアを行わなかったキレイ肌さんからは、「もともとキレイな肌だとよく言われていたのに、急にこんな肌状態になってどうしたらいいかわからない」というご相談をよくいただきます。
一言で「肌荒れ」といっても、水分や油分の不足など肌表面の話なのか、はたまた肌細胞など肌内部のせいなのか、季節の変わり目など環境によるものなのか、今日浴びた紫外線の影響か、ウィルス性の病気なのかなど、要因はさまざまに考えられます。
こう考えると、肌荒れ対策は化粧品だけではないことがわかりますね。
化粧品でのケアは、肌荒れしにくい肌作りをするために活用するもの、とお考えください。
日常的に肌荒れしやすい方は、どんな時に肌荒れが起こるのか?生理周期や食生活、睡眠の状況、昨日と今日で変えたことはないか、1週間前と比べて変えたものはないか?など、洗い出してメモをしておくと、原因を探ったり、今後のケアに役立ちますよ。
急に肌荒れが起こった方は、Wさんのように皮膚科医師の診察を受けることも大切です。
ひどいニキビが続いたときに医師に相談し、子宮の病気が見つかった方もおられます。
ときには専門医に相談し、客観的なアドバイスをもらうことも大事なスキンケアのひとつです。
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