今回のインタビューは、「クレンジングを食用オイルで使うとどうなる?」という話です。
メイクオフするのに、「クレンジングがオイルなのであれば、食用もいけるのでは?」と思う方もおられるかもしれません。
ただ、食用を使うとなると、どうしてもきちんとした線引きができなくなるような気が、私なんかはします。
実際に使っている方の感想はどうなのでしょうか・・・?
○インタビューした相手:Aさん(45歳)
クレンジングを使っていない話
スキンケアの話をもとめて、さまよっていたころ、ある女性がお声がけくださいました。
もともと人前に出る仕事をしていたAさんは、「美人という前提で話をされるのが苦手」とおっしゃっていたこともある女性です。
苦手なのであれば、美人という前提を外して、スキンケアの話だけに注力することとなったのです。
クレンジングを使っていない話で大丈夫ですか?
と、はじめてくれました。
もともと、Aさんがスキンケアをがんばっていたのは、美容に目覚めた学生時代。
高校生のときは熱心にスキンケアしていましたが、そこからちょっとずつ適当になっていったといいます。
そんなAさん。人前に出る仕事を経由して、子供が生まれ、ベビーマッサージの講座にきました。
そこで、Aさんはオーガニックオイルを使っていたのですが、先生が、
太白ごま油でもいいんですよ!
と・・・。
太白ごま油?
そうです、焙煎している一般のではなく、太白の生搾りのごま油です。
「赤ちゃんにいいなら、私でもOKでは?」という思いつきから、当時使っていた市販のクレンジングオイルのかわりに、太白ごま油を使うようになりました。
ごま油クレンジングって?
するとしっとり感がコンビニで買ったクレンジングオイルよりもすごく良かったとAさんはいいます。
子供にはちゃんとオーガニックオイルを使っていましたが。
私は太白ごま油、エゴマオイル、オリーブオイル、ココナッツオイルとか、キッチンにあるものを適当に使うようになり…
ほう。
キッチンにあるものを使えば、買わなくてすむぞと。
今のAさんの生活スタイルでは、毎日ではなく、メイクは週に1度だけとのこと。
だから、あまり頻度が高くないので、クレンジングオイルを買う意味を見失っていたのかもしれませんね。
生活習慣としては、
メイクをした日は、夜お風呂にはいる前にキッチンでオイルを顔に塗ってそのままお風呂へ。→湯船につかりながらオイルをなじませ→石けんで洗い流す
という感じとのこと。
ふきとりの手順は踏みません。
拭き取り時の摩擦が肌に気になるというAさんでした。
ただ、うるおい感があるというのは、なんとなくオイルが残って膜ができているという理由に感じられますが・・・
そうかもしれないです。
10年以上前に、メイクさんに保湿の仕方が悪いと怒られまして。
また、仕事で製薬会社の化粧品部門と関わったのですが、風呂上がりは体をふくまえに、とにかく保湿!顔の保湿!といわれたのが印象深かったです。
それぐらい保湿が大切という比喩ですねきっとそれは。
まとめ
食用を使っている方はシュガースクラブに続いて二人目ですね
塗って放置しなければ・・・という感じでしょうか。
たしかに落ちるとは思います。
しかし、食品用ではないので適切なものではないと思うんですね。
さらに、油は紫外線にあたると、酸化して肌トラブルになっちゃいます。
オイルで皮膚がやわらかくなるので、”保湿した感じ”はしますね。
ただ食用油は酸化するので、クレンジング専用のものを使いましょう!
食べられるものは体に塗っても大丈夫だと思いがち。
しかし、本当は肌のほうが敏感。
食べ物は胃酸で溶けるが肌は消化器官がないので口に入れるものは肌にのせちゃだめだというのが結論です。
今回は油で落としたあと、石けんで洗っていますが、油がのこっていたらちょっと危険な気がいたします。
アースケアからのアドバイス
食用のオイルを顔や体に使用されるケースは、よくお聞きします。
使用の良し悪しは、オイルによって異なるため一概には言えないところではありますが…
化粧品メーカーとしてぜひお願いしたいのは、使用される前には、ぜひその商品の製造メーカーに「顔に使っていいですか」「顔に使っていい理由は何ですか」という2点を確認する、ということです。
以前に私が個人的に、オリーブオイルの製造メーカーに問い合わせた際には、「顔に使う前提で製造をしていないので、個人の自由ですから使わないでとは言えませんが推奨はしていない」という返答をもらいました。
インターネット上では、食用オイルでのマッサージやクレンジングを推奨されている記事をよく見ますが、その根拠までは記載されておりません。
ですから、「食用を顔に使用していい理由」を製造元にきちんと確認されることをおすすめいたします。
ここからは、アースケアの見解をお伝えしますね。
”食用”には、栄養素となる不純物や沈殿物がしっかりとあり、これが美味しさにつながっています。
一方、”顔”に使う化粧品としては、これら不純物は『異物』であり、『変質(腐る・酸化する・形状が壊れるなど)』の要因となるため、しっかりと取り除く『精製』を行います。
たとえば、食用ごま油を販売しているサイトを見ると、 「開封後は、涼しくて暗い場所に保存し、できるだけ短い期間(1〜2ヶ月)内にお召し上がりください。」とあります。 そもそも油は酸化しやすいものであるし、不純物があるために酸化までの期間はさらに短くなります。
一方、化粧品用として作られたクレンジングオイルは、防腐剤や酸化防止剤がきちんと配合されているため、使用目安はもっと長くなり、おそらく6ヶ月ほどはあるはずです。
これぐらい食用と化粧品用では使用期間にも差があります。
食用のものでも、スキンケア用として使えないわけではないと思います。
ただ、”食用”と”スキンケア用”とでは、そもそもの扱い方(保存方法・使用方法)が違うので、化粧品用に作られたものと同じ取り扱い方をするべきではありません。
「まったく別のもの」として取り扱うようにされるほうがいいと考えております。
また、これまでの経験談としては、乾燥肌や敏感肌の人はもちろんのこと、 「季節の変わり目に、顔だけ赤くなる」 「化粧品が変わっていなくても、たまに目の周りがヒリヒリする」 という経験がある人には、不純物の多い食用オイルを、顔に使用することはおすすめしません。
目の周りや口の周りは特に皮膚が薄いので、過敏な反応が起こりがちです。
もし肌トラブルを起こしてしまった場合には回復に時間がかかる部位でもありますので、同じ皮膚でも体とは違い、顔(特に目の周り・口の周り)は扱い方を慎重にするほうが安心ですよ。
フォローする